初めてのツクール作品は涙の味がした
今年も書くぞ!
こんにちは、ツクールアドベントカレンダー2023 8日目の記事です。
昨日はNPlasmaさんの「独自の使用効果を実装する方法 - 既存の実装に最大限乗っかる」というスクリプトの記事でしたね。
僕も昨年の記事を参考にさせていただき、おかげさまでTypeScriptをゴリゴリ書いています。
この流れに乗って、役に立つ記事を書きたいと思ったんですが、去年、一昨年で大体書いてしまいました。
arkfinn.fanbox.cc
frontier.hatenablog.jp
うーん良い記事ですね。
それにしてもゲーム作ったり発表したりしてないからネタ切れになるんですよね。
というわけで今回は自分の強みである「比較的ツクールとの付き合いが長い」ことをネタに、思い出話をしようと思います。
「ぼくの思い出~ツクール編~」に少しだけお付き合いよろしくお願いします。
最近「#ゲーム制作者になった流れ」みたいなタグも流行ってたし、いけるっしょ。
なぜ思い出話を?
自分が本当にやりたいことを知りたいとき、子供のころにやりたかったことを思い返すといいらしいです。
どっかでそのように聞きました。
たとえば『独学大全』でも「学びの動機付けマップ」として原体験から現在の行動理由を見直し、モチベーションに変えていく方法を示しています。
つまり思い出話には、自分の未来の道を知るためのヒントが隠されている!!
RPGメーカーとデザエモン
僕は小学生のころから、ずっとファイナルファンタジーを作りたいと思っていました。*1
そんなわけで当時、ゲーム作りたい!!などと家族に言ったりもしました。
幸い理解のある父親だったので、パソコンとBASICを丸投げされました。
何一つわかりませんでした。
ろくにパソコンも触ったことが無い子供に対してすげえ仕打ちだよな。マジで。
「RPGメーカー」はあのRPGメーカー*2でも、RPGツクール改めRPG Makerでもない、なんかの雑誌に入ってたと思われるショボいソフトです。
現物がどこにも存在しないのでタイトルすら間違ってるかもしれません。
確かパラメータ類は完全固定で、マップとイベントキャラが自由に配置でき、イベントはマップ移動・セリフ表示・仲間の加入・ボス戦闘ぐらいしかない感じ。アイテム関連でもう少しあったかも。
ちなみにイベントキャラは踏むと喋る仕様だったと思います。
当然グラフィックの書き換えなんてできません。
今思うと縛りとしてはアリかもしれませんね。
しかし僕はファイナルファンタジーみたいな壮大なゲームを作りたかったので、自動実行イベントの代わりに町の人を配置して強制的に発生するイベントを作り、オープニングのテロップっぽいものを出すことに成功しました。
うーん、なんだこれ。
「デザエモン」は割と有名なやつです。シューティングゲームが作れる。
今でもドット絵が描けるのはデザエモンのおかげです。攻略本も勉強になった。
しかし別にシューティングゲームに興味がなかったので、それっぽい絵にして爆発エフェクトをRPGっぽいセリフウィンドウにして、これはファイナルファンタジーだ!と自己暗示をかけていた覚えがあります。
(それっぽくする方法はゲーム雑誌や攻略本のテクニックからパクッた)
まあ武装が固定でビーム出したりするので、武器の画像を剣に変えたところで、どうにも苦しい感じでした。
これらの経験から、自分の外せないポイントは、次の二点なのかなーと考えてみました。
- やりたいことがブレていない点
- やりたいことのためにできることで工夫している点
という前置きで、いよいよ本題、ツクールの話です。
始めて遊んだツクール作品『タイトロープ』
『タイトロープ』はRPGツクールDANTE98製の作品で、ツクール専門雑誌のSOFCOM第一号に入っていました。
とにかくビジュアルが良すぎる。
そしてDANTE98で「自作戦闘」を初めて実現した作品でもあります(たぶん)
今見ると気になるところもあるが、当時の水準に対して圧倒的な品質、これはもうファイナルファンタジーですよ。
SUPER DANTEの発売を楽しみにしている中、パソコンのツクールならここまでできるというのは衝撃でした。
スーパーファミコンのSUPER DANTEは、もっとすごいものができるに違いない!
と思ったら、ぜんぜん自由に作れませんでした(最初の洞窟を作ったら容量が尽きた)
当然DANTE98もキャラクターツクールも買いますよね。
しかし現実は甘くなく、こんなすごい作品はそうそう作れるものではありません。
逆に初めて遊んだツクール作品がこれだったおかげで自分の中のハードルが上がりまくるという悲劇が起こり、月日は流れました。
大好きな作品『TODAY』
『TODAY』もRPGツクールDANTE98製の作品で、SOFCOM第八号に入っていました。
が、ほとんど誌面での紹介が無いばかりか、同号には完成度の高いRPG作品『ぬいぐるず』や上記タイトロープの続編、DANTE98Ⅱの自作戦闘サンプルでもある『FLORA』が収録されていることもあり、完全に埋もれてしまっています。
2chの名無しを含めても、この作品の話してるの歴史上で俺か俺以外かしかいません。
ファイナルファンタジーとは別の話で、僕はロボットアニメが大好きなんですが、これはそういうRPGです。
とにかくロボットのある世界を表現する演出が徹底しています。
ロボットものって、ゲーム上のキャラとしては勇者もガンダムも変わらないので表現が難しいんですよね。
たとえばスパロボだったら普通のゲームと比べてHPが異常に多いことでロボットの強大さを表現するとか、それっぽく見せていくのが大事になるんです。
『TODAY』では、オープニングで本編ダイジェストを見せる演出に始まり、様式美を感じるシナリオ展開、絵柄からちょっとギャグテイストと思わせてガッツリ群像劇をやっているのもロボットアニメ!って感じです。
顔グラフィックの代わりにコックピットを表示したり、ロボットの発進シークエンスをいちいち体験させるのも、ちゃんと世界観に直結していて、意味を持たせています。
そしてツクール的には「自作戦闘」をやりきっている。
ロボットが武装を駆使して戦う様子をシステムでも表現。
それでいて、ちゃんとお金を稼いで武器を買ってクエスト攻略して、というRPGができてるんですよね。
当時の「自作戦闘」作品だと、デフォルトと違うスンゴイシステム作りました!みたいな、そこを売りにしていくのが主流*3な中、当たり前のように普通のバトルが手作りですよっていう凄み。
そんな作りこみゆえに却って地味と言えば地味ではあったのですが。画面も灰色だし。
それでも、めちゃくちゃ好きな作品なので、この記事だけでもインターネットに残ればいいなあと思いながら書いてます。
自分が目指している場所にいるからこそ好きになる
という僕が今でも好きな二作品ですが、並べてみると、自分が目指しているところに到達している作品たちだなと思いました。
表現したいもののために全振りし、その点に対してはベストを尽くすというところです。
最初の方で書いたポイントの話につながってる感じがしますね。
付け加えると、単にこだわってます!ってだけでなく、そこまでやるの!?という何かしらが入ってるような気がします。
全体バランスよりも、どこかを尖らせるって感じです。
そういうのができてるのって、かっこいいなーと思います。
そんな作品ともっと出会いたいし、自分でも作っていきたいですね。
で、この記事書いてる人は今どうなったの?
そんなわけで、僕も時々ゲームを作ったり飽きたり遊んだりしてるわけですが、この二作品を超える衝撃に出会えたかというと、当然すごい作品はいっぱいあるのですが、なかなか無いわけでして。
これは実際そうなのか老化ゆえの懐古なのか、それは歴史の判断に委ねましょう……。
だったら自分で作れよって話ですが、それは、ハイ、そうですね……うん。
最近だと、といってももう三年前ぐらいですが、
すげえ感銘を受けて「ぼくも ゲームつくらなきゃ!」となった作品があって、それはインディーゲーム部門では何年か越しで上の二作品に並ぶなーと思ってるんですけど、なんか恥ずかしいので黙っておきますね。
もしかしたら、あなたの作品かもしれませんよ!
まあ、そんなに感銘を受けた割には年単位で表に出せる進捗がないんで世間に顔向けできないという気持ちもあります。
#スーパーゲ制デー だそうで最近描いたドット絵でマップを捏造しました pic.twitter.com/skNR7acllb
— A-9 (@ark_finn) 2021年2月13日
あれからもう三年近く、なぜかゲームではなくドット絵エディタや音の鳴る何かを作っている……
しかもファイナルファンタジーじゃないじゃん……
まあ引き続き、ぼちぼち作っていきたいと思います。
余談
ところで今回改めて『タイトロープ』を遊んだらシナリオほとんど忘れてたんですが、昔作ったアレ、割と言い訳できないレベルでパクッてますね。
章分割する仕組みだけは意識的にやったのは覚えてるんですけど。
(そして元ネタ通り第一章で終わった)
それも含めて当時、誰にも指摘されなかったのでまったく気づかなかった。
たまには原点に立ち返ってみよう
以上、他愛もない思い出話でしたが、『TODAY』のことだけでも覚えて帰っていただければ幸いです。
皆さんも昔やっていたこと、好きだったゲームを振り返ってみるのはいかがでしょうか。
創作のヒントやモチベーションになるかもしれませんよ!!
それでは、来年もよろしくお願いします。
*1:スクエニに入社して次回作を作りたい!という意味ではなく、それぐらいグレートな作品を作りたいという意味に取ってほしい。
*2:https://www.kadokawa.co.jp/product/200600000334/
*3:この傾向は割と未だにある。