フロンティア学院

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読むだけでゲーム制作がもっと楽しくなるアドベントカレンダーの記事16選

はじめに

こんにちは、ツクールアドベントカレンダー2022 19日目の記事です。

アドベントカレンダーの記事、毎年、勉強になりますね。
これは、複数の執筆者の視点から示唆が得られるからだと思います。

しかしながら、毎年一過性のネタのように消費され消えている印象があり、実際に消えてしまった記事も多数あります。

そこで、昨年までのアドベンドカレンダーを振り返ってみましょう!
今日は、読むだけで明日から実践できる技術や考え方の記事を抜粋してみました。

2015年

adventar.org

なお、この年は技術畑特化のアドベントカレンダーも作られていますが、本記事では取り上げていません。

2015/12/5 「使ってみたい!」と思わせるスキルや装備には、どんな工夫があるか?

web.archive.org

弓猫さんの記事。いきなりWebアーカイブの登場です。

ゲームを面白く感じさせる工夫として、あえてスキルや装備の上限を見せて期待を高めたり、制限を解消する手段とすることで達成感を感じさせるといった内容です。

感覚的には「鍵のかかったドアを見せた後、鍵を探させる」みたいな定番テクニックの転用という感じ。
故意に制限をかけて不便にする、という観点が、そのままシナリオにも転用できそうで、面白かったです。
パックマンのシステムで、呪いを受けた騎士が魔法のアイテムで一時的に力を取り戻す、みたいな……)

2015/12/10 RPG制作に役立つあんな本やこんな本~RPGツクールのゲーム幅を広げる設定作成資料からちょっと怪しい本まで色々紹介~

gametkool.com

みなみよつばさんの記事。

関係ない話ですが、最近、突然公式扱いで出てきたので、そういうキャラクターかと思っていたら昔から活動してる方でした。無知を恥じます。

それはさておき、本といえば信心深いので何かあると『ゲームデザインバイブル』を読めと言ってるんですが、やっぱり資料集や参考文献は欲しいものです。

この記事からは、主に古本屋で100円で買えるような本の有用性を学べます。
教育本もクソカルト本も創作のための参考書籍になるし、古本ならば気軽に買えます。
クソ本を宝にしよう。

2015/12/14 プレイヤーを飽きさせない2つの工夫とは?

web.archive.org

弓猫さんの記事その2。

ゲームを面白く感じさせる工夫として、プレイにメリハリをつけるために複数要素を掛け合わせるという内容です。
個人的に、洞窟のマップとか作ってると「うーんつまらん!」ということが度々あるのですが、メリハリが足りなかったのかもしれません。

ゲームのビートチャート的なものってあまり使いこなせてなかったのですが、ここではシナリオの手法を転用できるという点にヒントをもらいました。
そのダンジョンのプレミスを書いて、アウトラインに落とし込む、みたいなことができるかも。今度やってみます。

参考書籍『アウトラインから書く小説再入門

2015/12/19 ツクラーが知っておきたい! ストレスフリーなシンボルエンカウント構築する8つの方則

gametkool.com

みなみよつばさんの記事その2。

シンボルエンカウントのメリットや、それを活かすための工夫、ツクール上での小技までをまとめた内容です。

どうでもいいですが、シンボルエンカウントといえばファイナルファンタジーミスティッククエストを思い出しますよね。

2015/12/22 RPGの「王道」なモノ、その理由

fanblogs.jp

kuroさんの記事。

RPGあるあるネタについて理由を列挙しており、それにどういった意図があるのか、自分のゲームでも取り入れることができないかを考えられる内容です。

最初の状態異常は毒、みたいなのは確かにそうだし、理由から逆に考えれば毒以外でも行けそう、といった発見がありました。

また「四天王」が進行度を示している、という視点は、個人的には新鮮でした。
シンプルに4ステージあるというだけでなく、第一部は4つのクリスタル、第二部は4人の戦士~みたいに要所要所で定量的な指標が示されてる感じ。
これ、目標管理の考え方を応用できそうですね。

参考書籍『OKR

2016年

adventar.org

2016/12/22 RPGの改善マニュアル:物語ゲームを最後までプレイしてもらうにはどうしたらいいか?

web.archive.org

伊予柑さんの記事。

遊びやすいゲームとは何か?という考え方。
とにかくたくさんのtipsが書かれています。

中でも地味に書かれている「喋っているドットキャラクターをジャンプさせる」方法が好きです。

ジャンプに限らず、一歩動くとか、向きを変えるとか、文章表示の前にワンアクションを入れるだけで誰のセリフか分かりやすくなるだけでなく、画面上にキャラクターを表示している意味が出てきます。

これ意外とやってる人が少なかったりするので、是非試してみてください。

2016/12/24 光るセリフの極意

ktnhmv.jugem.jp

フリーゲーム制作サークルkotonoha*さんの記事。

個性的なセリフを使うメリットについて書かれています。
本題としては、セリフを使って上手に情報提供することでしょうか。

最低限の説明的過ぎない会話で必要な情報を伝える、というテーマは小説やドラマにも共通していて、これに特化した本もあったりします。

参考書籍『ダイアローグ 小説・演劇・映画・テレビドラマで効果的な会話を生みだす方法

2017年

adventar.org

2017/12/2 サンプルゲームに込めた隠し味、その他

d.hatena.ne.jp

神無月サスケさんの記事です。

作成したゲームの解説という体裁ではあるものの、どういう考えで何をしたか、の例が複数紹介されていて勉強になります。

特に「面倒なことをすると、必ずそれなりの見返りがある」という観点は、プレイヤーに複数の選択肢を与える、という点で大事な考え方と思います。

FF4~FF5あたりの攻略本には、ボスの倒し方に順当にレベルを上げて戦う「正攻法」、特殊な技を使って倒す「必勝法」が載っていたりしたのを思い出しました。
低レベル攻略などのやりこみが楽しめるのも、こういう幅を作ってこそですね。

2018年

adventar.org

2018/12/19 RPG慣れしていない家族にフリゲで遊ばせてみた

hanmage.blog57.fc2.com

junさんの記事。

タイトル通り、自作ゲームを家族に遊んでもらい、その感想をまとめています。

普段ゲームをやらない人や、今どきのゲームに慣れ親しんだ若年層のプレイヤーが、どういう行動をとり、何を気にするのかという、なかなか想像しづらい立場からのフィードバックを勉強できるお得な内容です。

すげえ個人的な話ですが、昔、発売日頃にFF4を買ったのですが、特定のボスが倒せないなど、遊ぶたびに多少は進むものの結局詰まってしまい、PSの移植版で初めてクリアできた(その間およそ6年)、という経験があります。
思い返すと、レベル上げをちゃんとしない(逃げるを多用)、装備を整えない(貯金が面倒)、ダンジョンを探索しない(危険を避ける)など、自分もそうだったな……という感じでした。

なので決して「最近の若い者は……」って話ではなく、基本がわからんプレイヤーもいる、と考えてゲーム設計するのは大事という話です。

逆に、天下のFF様がそうだったように、面白ければ何年でも挑み続けることができたので、配慮なんて不要!と考えるのも趣味ならOKだと思います。

ただ、ネットスラングや時事ネタの取り扱いには気をつけようね……。

2020年

adventar.org

2020/12/4 RPG制作におけるExcel整理術

www.werepanda.jp

pandaさんの記事。

Excelを使おう!という内容ですが、ゲーム制作時に考えるべきことがまとまっていて参考になります。

進行表と敵の強さ、スキル習得を並べてみたり、いい感じのゲームバランスにするための計算表を作ったりすると便利です。

2020/12/5 意外とやってない人が多いこと(多分)

numaekaeru.blog.shinobi.jp

沼江蛙さんの記事。

内容はツクールテクニック集なんですが、こういう細部を気にかけることの大事さを示唆していると思いました。
BGMのフェードとか……。

2020/12/12 プラグイン不要!意外と知られていない「メタデータ」の活用法

forum.tkool.jp

こまどりさんの記事。

スクリプト関係の内容ではあるものの、プラグインでもよく見かけるメタデータ記法を丁寧に解説しており、ちょっと凝ったことをやりたいときの選択肢が増やせる点で勉強になりました。

2020/12/18 透明タイルや空イベントを使ったツクールの小技

www.werepanda.jp

pandaさんの記事その2。

ツクールならではの技術を含みますが、違和感やストレスが無いようにするため、気を付けるべき点と、透明イベントによってそれを実現する方法を示しています。

確かに、これ意外と思いつかないよな……と思ったりしました。

2021年

adventar.org

2021/12/2 モブ会話の作り方

www.werepanda.jp

pandaさんの記事その3。

プレイヤーに行動を考えさせるためのヒントとしてのセリフの作り方。好きなテーマです。
セリフについてはぼくも似たようなことを15年前ぐらいに書いてます。

  1. https://frontier.diarynote.jp/200805160045540000/
  2. https://frontier.diarynote.jp/200805180941040000/

付け加えると、ヒントはいっぱいあったほうが楽しいと思います。

アイスマンは炎に弱いぞ!」という村人がいたとして、それを見ていなくても、明らかに氷の形の魔物が出てきて氷の攻撃してくるとか、そういう感じです。

2021/12/6 超初心者向けマップ講座

numaekaeru.blog.shinobi.jp

沼江蛙さんの記事その2。

いい感じのマップの作り方や、そもそもマップを作らずに済ませる方法について。
最初の画像にあるマップ、あるある過ぎて笑った。

記事にあるように、この家でどう生活しているのかとか、何のための間取りなのかを考えて作っていくのがいいですよね。
自分の家とか間取り図を参考にマップを作ると練習になったりします。

あとは、できるだけ狭くするということ。
文章はできるだけ短くする、という書き方の基本とも共通していると思いました。

2021/12/23 ゲーム作りの基礎体力をつける

arkfinn.fanbox.cc

A-9さんの記事。オチです。ありがとうございました。

ゲームがなかなか完成しない皆さんへの練習方法の提案です。

一方「作りたいものを作ろうよ」という話も出ていました。
note.com

これはどちらが正解という話ではなく、モチベーションの上がるやり方なら、何でもやって楽しめればいいと思います。

まとめ

記事の読み方は人それぞれ。

今回は「読むだけで明日から実践できる技術や考え方の記事」にスポットを当て、独断と偏見によっていくつかの記事を紹介しました。

しかし、同じテーマでも紹介しきれなかった記事もあれば、プラグインゲームエンジン、周辺技術などの技術情報から、あのゲームの〇〇を再現みたいな小ネタ、思い出話、雑談、他人の悪口まで、なんでもあり*1なのがツクールアドベントカレンダーです。

この機会に是非読み返してみてはいかがでしょうか。

それでは、来年もよろしくお願いします。

*1:他人の悪口はダメですし、ありません