フロンティア学院

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『墨子』を読む(備城門篇4)

今回は見張り台を造り、地下からの敵に備え、さらに物資を人々から取り立てます。

前回さらっと「すぐ出来る対策から順に書いてるのかもしれない」と書いたが、どうも実際そう考えた方が解釈しやすいように思えるので、以下その設定で進めたいと思います。

漢籍国字解全書『墨子 備城門』
こちらのテキストも更新しています。

設定と前回までのあらすじ

フロンティア学園都市(仮)はフロンティアの名の通り辺境にある小規模な町である。

町は四方を城壁で囲まれており、民衆は日中は城壁の外にある畑で仕事を行い、晩鐘と共に町へと帰る日々を送っていた。

ある日、学園都市になんらかの敵対勢力がなんらかの攻撃行為を企てているというなんらかの報せがもたらされた。

私たちはさっそく城門の扉に補強を行い、さらにその前に深い穴を掘り、城壁の最も弱い部分である城門から攻め込まれてしまうリスクを軽減したのであった。

見張り台を作る

城壁の四隅を高くして、見張り台を作る。いわゆる櫓で、だいたい他より4メートルほど高く作れということらしい。この時点ではその場しのぎ的に木造の櫓を建てる程度を想定していいかもしれない。

ここに貴族の子を配備し、見張りをさせる。見張りを怠るようであれば厳罰に処す、というか殺す。

なぜ貴族の子を配備するのかというと、おそらく櫓自体の機能とは関係なく、この段階で上流の者達に規律を行き届かせておく狙いであろうと考えられる。

上層部である貴族がこの非常事態にふざけているようでは問題であるし、いかなる相手であっても規律に従わせる事の重要性は、『孫子』の逸話にもあるとおりだ。*1

急務である見張りを行いつつ、貴族に自覚を促すという、一石二鳥の施策である。

地下からの攻撃に備える

見張りは立てたが、敵は地下を掘って城壁内への直接襲撃を企てているかもしれない。

そこで、ここは取り急ぎプロフェッショナルに任せ、敵が穴を掘っている様子があれば、こちらから逆に地下を掘って敵を出待ちし、現れた所をすかさず弩で一網打尽にする。小型のクロスボウ的な装備だろう。

プロフェッショナルは何をするのか?という疑問は備穴篇とかで後々明かされるはずで、今のところは専門家に任せておこうというところ。

櫓と地下への対策により、まずは奇襲を防ぐ事が出来るようになった。

物資を調達する

この時点で、町の民衆から防衛に必要な装備について、使える物は供出してもらう事にする。使える物とは具体的に何か?というと、このあとに出てくる様々なアイテムを指していると考えられる。ここでも命令に従わない者は容赦なくぶっ殺す事とする。

これにより、物質の調達と共に、民衆にも規律を浸透させていくことを目的としていると考える。

まとめ

今回は以下を行った。

  • 奇襲に備えて直ちに対策を行う。
  • 貴族から民衆まで、規律を徹底させる。

これらの対策を終えた後には、貴族から民衆まで、命がけで敵の襲撃に備えようという気持ちが芽生えているはずだ。

次からはいよいよ全面対決に備えて、いつでも反撃ができるような体制を整えていく段階となっていく。