意識の高い大人になるためにまず読むべき一冊
ブックガイド的な本とかあるじゃないですか。
あれって「デキる俺はこれを読むぜ」みたいな自慢げな奴だったり「まずは足し算から始めよう」みたいな入門向けだったり、お前それ自著だろとか、ひどい物だと選定基準バラバラだったり以上全部ごちゃ混ぜになっていたりして、結局何を読めば意識の高い大人になれるのか、未だに分かりません。
というわけで
そういったブックリストをかき集めて統計を取ってみたわけです。
色々あった結果(このへんは後日のネタ切れ防止のために温存)まずはデカルトの『方法序説』を読むべき一冊とするのがよいのではないかという結論に達しました。割とどのリストにも登場しており、その人気もお墨付きの一冊です。
タイトルの話はこれで終わりなので、以下ブックリストとの付き合い方を書いていきます。
『方法序説』を読む
まず読もう。薄いし「我思う故に我在り」という言葉はなじみがあるので、へーぐらいの感じで読める。
読んだ後は得意げに「デカルトは全てを疑う事から始めたんだぜ」などとインテリぶることができる。とてもお得。これをテーマに書かれた曲に勝手に歌詞を付け足してカバーもできる。良い事しかない。
しかしこれは罠で、大人の世界では哲学者の言う事は真に受けてはいけないという決まりがある。
デカルトがそうしたように、我々もまたデカルトを疑わなくてはならないのだ。
『方法序説』を理解する
そもそもデカルトは何を疑おうとしたのか?を知るためには、プラトンだとかアウグスティヌスだとかそのへんの歴史の流れを知る必要が出てくるし、一方でデカルトを疑った人は何を言ったかってことでカントだとかハイデッガーだとかを知る事になる。
そうすると今度はその人達は何を疑ったのか?その人達を疑った人は?みたいな感じで世界がどんどん広がっていくのだ。
で、何が言いたいのか
ブックリストは意識が高そうな本をダラダラと並べて、読め!と訴えてくる。でも、それは文字通り読めばいいってことではなくて、それらの本を理解するには、それが生まれた歴史的背景や前後の文脈を理解する必要があって、その本だけでは完結しないはず。
リストで勧められるような本は、解説本や批判本が出ていたりと情報収集が容易な物が多いので、それらが至高の名作であるっていうよりは、最初のライバルを見つけ出すためのガイドなんだと思って向き合うのが良いのです。
ブックリストの本を読んでるからエライというわけでなく、入り口がこんなにあるんだ!ぐらいに捉えておけばいいわけです。
その中でも方法序説は多くのリストで挙げられている事から、まずは読むべき一冊としてもいいんじゃないかな、という事で取り上げました。
お金も興味もない人へ
方法序説なら岩波文庫とかで買えますが、プロジェクト杉田玄白でもタダで読めます。
近デジ(国デコ)でも読める。
まずは試しに触れてみてはどうでしょう、と言いたい所ですが……。
プロ杉や近デジはウェブサイトなので読みづらい。
近デジに至っては戦前の資料なので旧仮名遣いと戦う必要がある。
多くのブックリストが「読んでおくべき」としている古典がこの有様なのだ。
そのへんのディスりとかの話はまた次回にします。
よし、本を勧めておきながら内容にほとんど触れずにここまで書けたぞ。