フロンティア学院

パブリックドメインから世界をめざす

青空文庫

正岡子規『歌よみに与ふる書』

描写力を磨くなら俳句をやりましょうという話をたまたま目にしました(これについては別途書くかもしれません)。 俳句と短歌は別物という話はちょっと置いておいて、これら短い文字数で物を語るメディアにはあまり興味がなかったので、とりあえず解説書っぽ…

中島敦『弟子』

みなさん『論語』は読んでいるでしょうか? 私は最近ようやく最後まで読んだのですが、以前、一部を読んだ時に感じた「クソジジイのたわごと集」というイメージは特に覆ることはありませんでした。http://www.aozora.gr.jp/cards/000119/card1738.htmlそんな…

徳冨蘆花『不如帰』

どうも自分には学が無いので、このタイトルを「不如婦」だと思っていて、最初の方を読んで、これは不倫の話だ! と思って読んでいたらそんなことはなかった。*1図書カード:小説 不如帰よくよく読んだらちゃんと序文で作者自らネタバレしているとおり、悲恋…

太宰治『斜陽』

恥の多い生涯を送ってきたので太宰治は教科書でメロスが走って以来、読んだ事がありませんでした。 図書カード:斜陽 なので、太宰については深くは存じ上げませぬ。世間では彼自身の人生と作品との結びつけや、複数の作品に渡るテーマなどを研究されている…

小川未明『青い石とメダル』

今日はいつも楽しく読ませて頂いている「青空文庫を読むブログ」からお題を拝借したいと思います。 aozorabunko.hatenablog.jp この『青い石とメダル』は、犬を助けるために主人公の勇ちゃんが色々やってメデタシメデタシという話なんですが、上記ブログにも…

海野十三『十八時の音楽浴』

覚醒剤にまつわる話が街を賑わせている昨今、得意げに「覚醒剤は用量・用法を守って使えば有益なものである。カフェインがそれである」などという、コーヒーだけに豆知識も耳に入ってくるが、真偽はさておき、その話を聞いて思いだしたのが海野十三の『十八…

魯迅『阿Q正伝』

教科書に載る作品はつまらなく感じる。それは読み方を強制されるからだと思う。 物語は本来面白い物で、ぼくたちが漫画やアニメを楽しんだように当時の人達もこういった教科書に載るような物語を楽しんでいたのだ。 それが教科書で登場すると、途端に高尚な…

カフカ『審判』

ドグラマグラを読んだらカフカを読もう。 図書カード:審判 大体、センセーショナルな煽りがついていてもミステリ三大奇書なんて所詮ミステリの奇書であり、アンチミステリというジャンルに入れ替えてしまえばそれまでのものだ。だけどアンチミステリはおも…

尾崎紅葉『金色夜叉』

まず長い。当時の流行小説でラブコメだというので1click購入(0円)したものの、kindleのメニュー画面に表示される、内容量を示すバーの長さに圧倒される。 そして少し読む。 未だ宵ながら松立てる門は一様に鎖籠めて、真直に長く東より西に横はれる大道は掃…

横光利一『機械』

かつて教科書で出会ったのは『蠅』だった。これは駄作である。 図書カード:蠅 日常の儚さがどうとか蠅の視点がどうとか暗喩だとか言われるのは、これが「文学」として紹介されているからで、そういう見方をすれば、どんな作品も名作である。HUNTER×HUNTERは…

木綿以前の事

自分が「言語学」というものに興味を持った理由の一つに、男性器の俗称に関する由来の話がある。簡単に言うと、小さい→ちんこい、というもので、昨今話題の春画展などに行けば分かるとおり男性器は「大きい」ものなのだが、おちんちんと言えば通常子供のそれ…

純粋青空文庫批判

私は青空文庫が大好きで、特にkindleでは青空文庫しか読んでいない。これからも続いて欲しいし、もっと作品も増えていって欲しい。 江戸川乱歩の公開なんてもう既に楽しみだ。TPPって何ですか! でも、それでいいのか?と思う所もあり、思いの丈をそのままに…