フロンティア学院

パブリックドメインから世界をめざす

『墨子』を読む(備城門篇3)

今回は扉を作ります。

この企画を始めるにあたり、漢文全集みたいなやつで墨子をいくつか調べているのですが、最も備城門篇に触れている本ですら今回触れる部分までで、以下は省略されていました。
実際まっとうに翻訳すると意味がよく分からないし、この先もそんな感じになってくるし、当時の生活の知恵なので役に立たないし思想としてもあんまり関係ないという、そりゃ省略するワイという内容を読んでいくのがこのブログだよ。

漢籍国字解全書『墨子 備城門』
こちらも更新しています。

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『墨子』を読む(備城門篇1)

突然だが墨子とは何か?とか、その思想の詳細については他を参照して欲しい。いずれ触れる機会もあるだろうが、今はその時では無い。

墨子 - 中國哲學書電子化計劃
中国のサイトでは全文を読む事もできる。読むべき古典がこうしてアクセスのしやすい状態にあるという点では、昔も今も中国は最先端だ。他に任せよう。


ここで取りあげる内容、それは城攻めに関する当時の各論が詳細に記されている備城門篇以下だ。

当時、儒学と並ぶ勢力を誇ったにも関わらず、歴史の中に埋もれてしまった墨学。

彼らは平等と平和を訴えながら、しかし戦いとなればべらぼうに強かったという。いかにもアニメ臭い設定というか、要はアークエンジェルフリーダムガンダムである。

その強さの秘密が今、解き明かされる!


なお内容は漢籍国字解全書を底本として、文字起こしと平行して読解していく予定だ。
漢籍国字解全書『墨子』 - フロンティア学院図書館

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浅野研真『聖徳太子と社會事業』を公開しました

ずいぶん更新が途絶えてしまったのでもう飽きたのかと思われるかも知れないが、飽きたのは事実の一部に過ぎない。

近頃はお金を払って本を読むかお金を払わずにパブリックドメインで無い本を読んでいたのだ。よって書く事が無かったのである。

ところで別で行っている創作活動上の必要性から聖徳太子についてちょっと調べていたのだが、丁度いい長さの本があったので文字起こしを試みた。

浅野研真『聖徳太子と社會事業』 - フロンティア学院図書館

結論から言えば特に求めている内容ではなかった。とはいえ捨て置くには勿体ないので、学び取れる事は学び取っておこう。

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太宰治『斜陽』

恥の多い生涯を送ってきたので太宰治は教科書でメロスが走って以来、読んだ事がありませんでした。

図書カード:斜陽

なので、太宰については深くは存じ上げませぬ。世間では彼自身の人生と作品との結びつけや、複数の作品に渡るテーマなどを研究されているのでしょうが、そうした一切を知らずにこのブログを書いております。

それでもメロスがどうやら富野で言うキングゲイナー的な作品であるとの噂はかねがね聞き及んでおり、また作者が熱心な芥川信者であったこと、一部で熱狂的に支持されるような愛され方を見ていても、どうも太宰作品というのは、盗んだバイクで自由になれた気がする尾崎豊のような作品なんじゃないか、とは長年思っておりました。

ところが、実際に読んでみると、これはまったく違っておりました。と申しますのは、まず主人公が女性。物語もファンの方には失礼ながら、女々しいと言いますか、どちらかといえばバイクを盗まれた側、ガラスを割られた校舎の側のような内容で、やや自伝的にも思える作風は芥川よりも、むしろ漱石に近いようにも思われたのです。

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小川未明『青い石とメダル』

今日はいつも楽しく読ませて頂いている「青空文庫を読むブログ」からお題を拝借したいと思います。

aozorabunko.hatenablog.jp

この『青い石とメダル』は、犬を助けるために主人公の勇ちゃんが色々やってメデタシメデタシという話なんですが、上記ブログにも、

一見単純に見える内容だからこそ、想像の余地が残されています。

あるように、色々な読み方をできる要素が散りばめられています。

そこで、当学院では少し悪い想像をしてみたいと思います。

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海野十三『十八時の音楽浴』

覚醒剤にまつわる話が街を賑わせている昨今、得意げに「覚醒剤は用量・用法を守って使えば有益なものである。カフェインがそれである」などという、コーヒーだけに豆知識も耳に入ってくるが、真偽はさておき、その話を聞いて思いだしたのが海野十三の『十八時の音楽浴』である。内容は大体そんな話だ。

図書カード:十八時の音楽浴

この作品には現代に通じる様々な未来が描かれている。

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