『墨子』を読む(備城門篇1)
突然だが墨子とは何か?とか、その思想の詳細については他を参照して欲しい。いずれ触れる機会もあるだろうが、今はその時では無い。
墨子 - 中國哲學書電子化計劃
中国のサイトでは全文を読む事もできる。読むべき古典がこうしてアクセスのしやすい状態にあるという点では、昔も今も中国は最先端だ。他に任せよう。
ここで取りあげる内容、それは城攻めに関する当時の各論が詳細に記されている備城門篇以下だ。
当時、儒学と並ぶ勢力を誇ったにも関わらず、歴史の中に埋もれてしまった墨学。
彼らは平等と平和を訴えながら、しかし戦いとなればべらぼうに強かったという。いかにもアニメ臭い設定というか、要はアークエンジェルのフリーダムガンダムである。
その強さの秘密が今、解き明かされる!
なお内容は漢籍国字解全書を底本として、文字起こしと平行して読解していく予定だ。
漢籍国字解全書『墨子』 - フロンティア学院図書館
浅野研真『聖徳太子と社會事業』を公開しました
太宰治『斜陽』
恥の多い生涯を送ってきたので太宰治は教科書でメロスが走って以来、読んだ事がありませんでした。
なので、太宰については深くは存じ上げませぬ。世間では彼自身の人生と作品との結びつけや、複数の作品に渡るテーマなどを研究されているのでしょうが、そうした一切を知らずにこのブログを書いております。
それでもメロスがどうやら富野で言うキングゲイナー的な作品であるとの噂はかねがね聞き及んでおり、また作者が熱心な芥川信者であったこと、一部で熱狂的に支持されるような愛され方を見ていても、どうも太宰作品というのは、盗んだバイクで自由になれた気がする尾崎豊のような作品なんじゃないか、とは長年思っておりました。
ところが、実際に読んでみると、これはまったく違っておりました。と申しますのは、まず主人公が女性。物語もファンの方には失礼ながら、女々しいと言いますか、どちらかといえばバイクを盗まれた側、ガラスを割られた校舎の側のような内容で、やや自伝的にも思える作風は芥川よりも、むしろ漱石に近いようにも思われたのです。
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