長谷川尚一『石油なくして何の新秩序の建設ぞ』を公開しました
石油が太平洋戦争の引き金の一つだという話は聞いたことがある。漫画『ジパング』でも後世中国で発見される油田を当時の日本が発見していたら、という話が展開されていた。
そんな石油に関する話だ。
長谷川尚一『石油なくして何の新秩序の建設ぞ』 - フロンティア学院図書館
日本にも油田はある! 何故採掘しない! 石油禁輸されたら死ぬぞ! みたいな事が書かれている。
この訴えの2年後の1941年、その予想は現実となった。
それにしても日本に油田があるというのは本当だろうか?
続きを読む尾崎紅葉『金色夜叉』
まず長い。当時の流行小説でラブコメだというので1click購入(0円)したものの、kindleのメニュー画面に表示される、内容量を示すバーの長さに圧倒される。
そして少し読む。
未だ宵ながら松立てる門は一様に鎖籠めて、真直に長く東より西に横はれる大道は掃きたるやうに物の影を留めず、いと寂くも往来の絶えたるに、……
あー、そういや紅葉は西鶴の後継とか言われてたわ……。これは手強いぞ。
などということは無いので安心して欲しい。ちょっと読み進めると合コンが始まる。続いて主人公である寛一とお宮がイチャイチャし始める。そこまで辿り着けなかったら、先に二葉亭四迷の『浮雲』を読むと良い。以前にも書いたとおり青空文庫の組版は酷いものだが、少なくとも長くない。それにテーマ的に似ている部分もあるから、事前に読んでおくと更に楽しめる。
そして絶世の美女と描写されるお宮とラブラブしている寛一を何だこいつ……と思っているうちに場面は展開、二人の仲は引き裂かれるのである。ここまではネタバレしても大丈夫だろう。ここからが本編だ。そう、これがギルティクラウンなら1クール目、J・P・ホーガンなら人間ドラマが終わった所だ。
続きを読む横光利一『機械』
かつて教科書で出会ったのは『蠅』だった。これは駄作である。
日常の儚さがどうとか蠅の視点がどうとか暗喩だとか言われるのは、これが「文学」として紹介されているからで、そういう見方をすれば、どんな作品も名作である。HUNTER×HUNTERは休載を続ける事で永遠性を獲得しているとも言える。
(もちろん、文学とはどんな作品でもそういう見方をして楽しむべきものではある)
とにかく、こんな胸くそ悪い打ち切り話を書くような作家は奇をてらっていい気になってるクソ作家だろうと長年思っていた。
結論から言えばこれはとても勿体ない事だった。
『機械』はメチャクチャ面白いのだ。
続きを読む迫間房太郎『産金政策の一私見』を公開しました
前回に引き続き数稼ぎであるという本音の部分は一旦どこかに置き忘れてもらって、この迫間房太郎氏が問題なのである。この名字は何と読むのでしょうか。
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